PCT(緩和ケアチーム)があり、医師、薬剤師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士など多職種が関わり、身体や心のつらさや苦痛を和らげ暮らしているように支援していくためにチームを結成して情報交換をしています。
「がん患者の生活機能の生活の質(QOL)の改善を目的とする医療ケアであり、がんとその治療に因る制限を受けた中で、患者に最大限の身体、心理的、職業活動を実現させること」とされています。
体の中にがんが存在している状態では、がんの組織がほかの組織が摂取しようとする栄養を奪ってしまう事により、体の衰弱 (がん悪液質) が起こりやすく、さらなる身体機能の低下を引き起こします。
こうして栄養障害が起き活動性が低下すると、筋力・体力が低下し、わずかな運動や動作で多くのエネルギーを消費してしまうため、いっそう疲労しやすくなります。そして「疲れるから動きたくない」が習慣化し、生活のなかでの活動量が減少することで、さらに体力・筋力が低下するという悪循環に陥ってしまいます。
この悪循環を阻止するために、リハビリテーションでの運動×栄養士による栄養管理が重要となってきます。最初は低負荷から運動する事によって、身体機能の低下を予防し、身体機能を維持・運動能力を高めていくと、動作時のエネルギー消費率が軽減し、疲れにくくなってきます。また、体を動かすことによって、気分転換や精神的苦痛・落ち込みの軽減も得られます。
当院では、がんリハビリテーション研修を終えた理学療法士4名、OT1名、ST1名を主体として、患者様のリハビリに関わっています。
その他に、医師・看護師・栄養士・薬剤師・ケースワーカーとチーム体制をとり、他職種一丸となって患者様のケアに努めています。週に1回カンファレンスを開催し、患者様の思いや困っている事、栄養状態を情報共有しています。
呼吸リハビリテーションとは、呼吸器に関連した病気を持つ患者が、可能な限り疾患の進行を予防あるいは健康状態を回復・維持するため、医療者と協働的なパートナーシップのもとに疾患を自身で管理して、自立出来るよう生涯にわたり継続して支援していくための個別化された包括的介入です(呼吸リハビリテーションに関するステートメント2018より抜粋)。
呼吸リハビリテーションにて、運動療法の開始時には、効率のよい運動トレーニングを目指したコンディションづくりのために、呼吸パターンの修正や柔軟性のトレーニングを行う事が望ましく、重症例ではコンディショニングに長期間を要し、基礎的な内容のADLトレーニングも必要になってきます。
一方で軽症の方の場合は、コンディショニングやADLトレーニングだけでなく、高めの負荷量を設定しての運動療法を行うこともあります。その方の病状や、重要性の高い動作の獲得に向けた練習などを、評価に基づいて行っていきます。
短期目標:息切れ及び運動耐容能を改善する事。
長期目標:日常の身体活動性を向上させ、長く維持させる事です。
その結果、以下の効果を得る事が出来ます。
当院ではこれらの目標達成するために、運動療法だけではなく、病状に合わせた治療体操・生活の工夫提案などをしながら、多職種と力を合わせて、患者様のサポートをしていきます。